

「一般国道」の地図が描かれたトレーディングカード「Map Design GALLERY CARD/一般国道」が2026年9月11日に新発売となりました。
今回はこのカードの仕様やデザインを決めるまでの過程や、制作中のこだわりなどについて、商品企画担当の高橋とデザイン担当の長縄に聞きました。
「一般国道」の地図が描かれたトレーディングカード「Map Design GALLERY CARD/一般国道」が2026年9月11日に新発売となりました。
今回はこのカードの仕様やデザインを決めるまでの過程や、制作中のこだわりなどについて、
商品企画担当の高橋とデザイン担当の長縄に聞きました。

|Map Design GALLERY CARD新シリーズのテーマは「一般国道」
―地図をテーマにしたトレーディングカード「Map Design GALLERY CARD/一般国道」がいよいよ発売されました。新シリーズのテーマとして「一般国道」を選んだ経緯を教えてください。
高橋
前回の「有人離島」はゼンリンが保有する地図データを生かしたトレカということで大きな反響をいただき、それに次ぐ新たなテーマを検討するために、社内の地図好きやトレーディングカード好きの人を集めて情報交換会を開催しました。このときの協議では、「地形」「道路」「建物」「注記」など地図に含まれる要素ごとにテーマを整理して話し合ったところ、「城」や「空港」など様々な提案がありましたが、中でも大多数の人が候補に挙げていて、最も人気があったのが「一般国道」でした。
「一般国道」は「有人離島」と同様に、地図情報を使った「ゼンリンらしさ」が伝わるわかりやすいテーマです。国道に関する書籍は数多く刊行されており、「国道ステッカー」など関連グッズも販売されています。YouTubeの動画やSNS投稿でも“国道ネタ”を目にする機会はとても多く、地図に関連したテーマとしては“王道”であることも大きな理由です。社内でも国道が好きな人は多くて、今回のテーマが一般国道であることを共有したところ、様々な部署から「こんな国道があるよ!」「この国道はここが面白い!」といった情報が相次いで寄せられました。
―国道好きの人が多いというのは地図会社であるゼンリンならではですね。
高橋
テーマの決定後も社内から国道が好きな人を集めて情報交換を行ったのですが、仕様を決めるときは、国道に関する面白い話を収集するために地図の調査部門に声をかけて、国道が好きな人に参加してもらいました。私も長縄も国道についてものすごく詳しいわけではなく、一から学ばなければいけないことも少なくなかったので、国道に詳しい人から様々な国道ネタを色々と教えてもらえたことにより、モチベーションも上がったし、その面白さをカードにも反映させることができて、とても心強かったです。

▲企画担当:高橋
―このトレーディングカードはどんな方に手に取ってほしいですか?
高橋
このカードは国道に詳しい人だけではなく、国道にあまり縁の無かった人も含めて幅広い世代に買っていただきたいと考えています。カードを通じて「国道ってこんなに面白いんだよ!」ということを伝えられたら嬉しいし、国道だけでなく地図にも興味を持っていただきたいです。「有人離島」のときもトレーディングカードという商品の性質上、主な購入者層は一応30~40代の男性と設定していたのですが、実際には女性の購入者が約40%で、年代についても若い方が意外と多かったです。
社内でも国道好きの女性は多いですし、最近はイベントで女性のお客様から「私、地図が好きなんです!」と声をかけていただけることも多くなってきましたので、想定していた購入者層にも幅広い方に楽しんでいただける商品になればいいなと考えています。一方、もともと国道が好きな人にとっても、すべての国道の情報が網羅されていて、国道ひとつひとつを地図として表現して印刷物としてまとめているものはあまり見たことがないので、資料的な価値があると考えています。
|注記が一切入らないシンプルな地図デザイン
―レア度の設定について教えてください。
高橋
国道の番号は1号から507号まで存在し、欠番を除くと全国で459路線あります。これを全6弾に分けて発売する予定で、初回は一般国道①/76種、一般国道②/77種を発売します。レア度は総延長距離をもとに設定していて、49km以下をキラキラしたデザインのR(レア)、50~99kmをU(アンコモン)、100km以上をC(コモン)としています。459路線のうちRが63枚、Uが122枚、Cが274枚で、この3種類で459路線はすべて揃いますが、そのほかに特別なカードとしてSR(スーパーレア)があります。SRは全459路線のラインナップの中から、社内のサーベイチームが“ネタ”としてピックアップした面白い道路を仕様違いの特別なデザインで仕上げたレアカードです。7枚入りのパックのみでしか手に入らないカードで、どのような内容なのかは引いてからのお楽しみです!

▲デザイン担当:長縄
―地図デザインのこだわりは?
長縄
コンテンツとなる“一般国道”をシンプルに見せるというのが1つ、もう1つは、全面を地図にせず、地図周りの装飾をカッコよくデザインして、トレーディングカードらしい見た目に仕上げました。全面を地図にしてしまうとマニアックな感じになり、敬遠されてしまうかもしれないので、地図や国道に縁のない人にも見た目がカッコいいと思ってもらえるようなデザインを意識しています。
国道の番号や総延長距離はひと目でわかるように大きめにしています。地図上には起点と終点、都道府県境界、大きな河川や湖、あとは縮尺によっては国道以外の道路が入っています。国道以外の道路の中には高速道路が含まれている場合もありますが、それを高速道路として目立たせているわけではなく、当該の国道以外は同じ道路として表現しています。とにかくできるだけシンプルにして、国道の形が浮かび上がるデザインを目指しました。
―注記(地図上の文字)が入っていないシンプルな地図ですね。
長縄
地図上には都道府県名も含めて注記は入れずに、地図の下に「通過する都道府県」を列記することにしました。注記を入れないと場所がどこなのかわかりづらいとも思ったのですが、基本的なコンセプトとして「このカードを見てその国道に興味を持ったら、ぜひ自分で調べてほしい」という思いがあったので、最終的には何も入れないことにしました。少しでも注記を入れてしまうと、あれもこれもと増えてしまって中途半端になってしまいがちなので、ここは一切入れずに割り切っています。

▲地図には注記が入らないシンプルなカードデザイン。カード下部には通過する都道府県を記載。
|ゼンリン社内から色々な部署が参加して制作
―普通の地図は北が上になっていますが、このカードの地図は北の向きが統一されていませんね。
長縄
「有人離島」のときは北を上に統一したほうが島の形を認識しやすいと考えて、そのようにしていたのですが、国道は基本的に細長い形状が多く、全部を北にしたら東西に延びる道が短く描かれてしまい、縮尺も小さくなりすぎて形が見えづらくなってしまうと考えて、あえて向きは揃えずに地図を回転させることにしました。
始点と終点の配置についても、最初は始点が常に上になるように決めていたのですが、例えば起点が南にあって終点が北になるような国道の場合、始点を上に決めてしまうと180度回転させなければならず、そのような地図の回し方は不自然であるという意見が出たため、地図としての見やすさを考えて始点と終点の位置関係についてもルールを決めないことにしました。地図をどのように回転させて、図郭をどのように切り取れば形状が見えやすくなるか、地図として見やすく自然なものになるかは、住宅地図や防災関連の地図を作っている出版部門の編集部にお願いして判断してもらいました。

▲国道2号線のカードのおもて面(右)と裏面(左)

▲カードの新テーマを決めるために開催した情報交換会の様子
―色々な部署を巻き込んで制作したのですね。
長縄
「有人離島」のときは地図のトレカが受け入れられるのかがわからない中で試行錯誤していたので、まずは自分たちの部署だけで取り組んだのですが、トレカという商品が受け入れられることがわかったので、今回はゼンリンらしさをもっと出して、「さすがゼンリン」と言われるようなコンテンツを目指そうと思い、調査チームや出版部門の編集部などもあえて巻き込んで制作することにしました。中には業務としてではなく、“お手伝い”として参加してくれた人もいました。
―国道の形を地図上に表示させる際には、どのようなデータや情報を活用しましたか?
長縄
国道の線の形は、基本的にゼンリンが保有するカーナビ用の道路データから一般国道を抜き出して作成しています。最初はすべての国道を手作業で切り出す必要があると考えていたのですが、社内の他の部署の人からアドバイスで、カーナビ用データから国道だけを抜き出せることを知り、「これならできる!」と救われた思いになりました(笑)。
道路の形状が間違っていないかどうかは国土地理院のデータを使って確認し、始点・終点や総延長距離などは国土交通省が発表している「道路統計年報」をもとに確認しています。この確認作業はかなり大変で、中には本当にその道路が国道なのかどうかが曖昧なところも一部あり、国道に関する様々な資料を見比べて調べました。もしカードを見て「なぜこの国道は途中で二股に分かれているんだろう?」などと疑問が湧き上がったら、色々と調べると新たな発見があると思います。
高橋
複数の国道が重なっている「重用区間」と呼ばれる部分について国土地理院の地理院地図を見ると、地図を拡大した状態では複数の国道番号が数珠繋がりで並んでいるのですが、縮尺を小さくすると一番若い番号の国道しか表示されないことがあり、この確認も大変でした。北海道の網走市内の国道を見ると、238号・239号・242号の重用区間と39号・240号・243号の重用区間が合流して計6路線の重用区間となる箇所があり、確認が大変であるとともに面白さも感じたのですが、このようなネタは機会があればSNSなどを通じてお客様にも伝えたいと考えています。
―地図のほかにはどのような情報が載っていますか?
長縄
情報としては国道番号と総延長距離、海上区間の距離、起点・終点の所在地、通過する都道府県などを掲載しています。道路統計年報には総延長距離のほかにも、実際に車が走行できる区間を意味する「実延長」など色々な数字があるのですが、その中でどの情報を掲載するべきか、とても悩みました。できるだけ必要最低限の情報に絞りたかったのと、「この国道は地図上では短く見えるのに、なぜ総延長距離はこんなに長いのか?」と疑問や興味を持っていただくためには、総延長距離のみを掲載するのが最も良いだろうと考えて現在の形にしました。なお、総延長距離がどのような意味なのかはパックごとに入っている説明書きのカードで詳しく案内しています。

▲各国道の総延長距離や起点・終点などをまとめた資料
|トレカとしてのカッコよさを重視した外枠デザイン
―地図を取り囲む枠の部分は、道路のデザインになっていますね。
長縄
外枠の部分は、C(コモン)の場合は国道のアスファルトの写真をそのまま使っていて、センターラインの破線や横断歩道の縞をワンポイントとして入れています。これをベースとして、U(アンコモン)とR(レア)には色を入れてレア感を出しています。地図の面積が占める割合については社内から色々な意見が寄せられて悩みました。「もっと地図を大きくしてもいいのでは?」という意見もあったのですが、“地図らしさ”を少し抑えて、トレカとしてのカッコよさを重視して今の割合に決めました。

▲実際のアスファルトの写真を使ったC(コモン)の外枠デザイン

▲国道2号線(左)と国道172号線(右)のカード裏面。距離が短い172号線(8km)にはマーカーが置かれている。
―カード裏面を大きな日本地図にした理由は何ですか?
長縄
一番の目的は、当該の国道が日本列島のどこにあるのか、ということを知っていただきたかったからです。地域別に分ける案もありましたが、その国道がどれくらいの長さで、どこを通っているのかを直感的に伝えるために、すべてのカードを日本全体の地図に統一しました。このほうが並べたときも面白いと思います。縮尺が小さいと距離が短い国道の場合は点にしか見えないので、この場合はマーカーを置いて指し示すようにしています。この裏面を使って、そのカードがどの国道なのかを当てる遊びができるかもしれませんね。
―パッケージデザインについてはいかがですか?
長縄
これもカード外枠と同じで、道路のアスファルトの写真を素材として使っています。パッと見たときに国道であることがすぐにわかり、立体感のあるデザインで、”おにぎり”(国道標識)で第何弾なのかがわかるようにしています。「有人離島」のときと異なるのは、含まれている国道番号をパッケージ表面に列挙している点ですね。これを見ることで、シリーズごとにどの国道のカードが入っているのかがわかるようになっています。「有人離島」のときもウェブサイトや売り場ではどのシリーズにどの島が入っているのかを公表していたのですが、それでもときどき問い合わせをいただくことがあったので、今回はしっかりと明記することにしました。

▲一般国道①のコンプリートBOX(右)と7枚入りパック(左)のパッケージ
|カードを通じて知る国道の面白さ
―このカードを使ってどのように楽しんでほしいですか?
高橋
基本的にはコレクションとして集めていただいて、自分の好きな国道を引いたときは、その国道について調べたり、実際にその国道を走ってみたりすると楽しいと思います。あとはお客様がこのカードを使ってどのように遊べるか自由に考えて、ぜひ面白い遊び方を見つけていただければ嬉しいです。
―お2人の“推し国道”を教えてください。
長縄
今回発売の一般国道②に入っている国道468号が“推し”です。圏央道(首都圏中央連絡自動車道)と呼ばれている高速道路なんですが、実家が千葉の九十九里の辺りなのでよく使っている思い入れが深い道路です。実はお恥ずかしい話なんですが、このトレーディングカードに携わるまで圏央道が一般国道だということを認識していなかったんです。それを知ってから圏央道を通るたびに思い出し、より愛着を感じるようになりました。カードを手に入れることで、そのような自分の思い出が詰まった国道を改めて見返すと、「ああ、こんなに長かったのか」「こんなところを通っていたのか」と新たな発見があると思います。


高橋
私は国道390号が“推し”ですね。これは沖縄本島と離島を結んでいる国道で、総延長距離が約552.2kmと長いのですが、そのほとんどが海上区間になっているという面白い道路です。最初はこの道路の線を見て「なんでこんなに短いんだろう?」と意味がわからなかったのですが、調べてみると、国道というのは実際に走れる道だけではないことを初めて知り、とても驚きました。
―Map Design GALLERY CARDについて今後の展望をお聞かせください。
高橋
まずは「一般国道」のシリーズをしっかりと最後まで発売し、その後も色々なトレカを発売していこうと考えています。また、「有人離島」については第4弾で完結し、おかげさまで多くの人に楽しんでいただいたのですが、「有人離島」を購入していただいたお客様のために、カード以外の商品を提供することも検討したいと思います。「一般国道」についても、完結後の展開を検討し、このコンテンツを最大限楽しんでいただけるようにしたいと考えています。
長縄
Map Design GALLERY CARD自体のファンも作っていきたいと思っています。「今回は有人離島か」「次は一般国道か」と、次に発売されるカードがどんなものになるのか期待していただけるようになることを目指しています。私自身、Map Design GALLERY CARDでトレカのデザインをやらせていただいて、デザイナーとしての“引き出し”が増えたと思いますし、色々な情報を集めてそれを形にするというのは性に合っているので、大変ではありますがとても楽しいので今後も続けていきたいと思います。

―お客様へメッセージをお願いします!
長縄
このカードをきっかけに国道を楽しんでいただいたり、地図を通じて道路の形はこんな風に見えるんだよ、ということに気付いていただければ嬉しいです。
高橋
まずは1パックでも良いので気軽に買っていただければ、何かしら発見があると思いますので、それをきっかけに国道について興味を持って調べていただき、楽しんでいただければと思います!
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