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地形をモチーフにした「バンダナ」が2025年12月新発売となりました。

今回のバンダナは、等高線をフィーチャーした都道府県図を中央に大胆に配置し、周囲を囲むペイズリー模様の中には各地の花や鳥を忍ばせるなど、工夫や遊び心あふれるデザインとなっています。制作背景やこだわりについて、商品企画担当の小川とデザイン担当の木村に話を聞きました。

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|「持つ・付ける・アピールする」のではなく、日々の中で自然と「使う」もの

―今回のバンダナ企画では、ロングセラー商品のピンバッジシリーズとは少し違う方向性を目指したそうですね。

小川
はい、“地図を持つ・付ける・アピールする”のではなく、布という素材のやわらかさを生かして、日々の中で自然と“使う”ことに重きを置きました。お弁当を包んだり、キャンプで敷いたり、外で汗を拭いたり。もちろん首やバッグにつけてファッションとして楽しむのもいい。アウトドアでも日常でも、色々な用途で自由に使えるアイテムにしたいと思いました。

地図もバンダナも、一度は誰もが見たことがある身近なものです。だけど、見る人使う人によって印象が変わる ー そんな両者の懐の深さが、今回心地よく混じり合ったと感じています。

―実物を広げて並べてみると、都道府県ごとの細やかな違いが分かり、圧巻です!

小川
これまでのアイテムにあるようなワンポイントデザインとは異なり、バンダナは面が広いので、最大限に地図柄を表現することができました。Map Design GALLERYが大切にしている、商品を介してコミュニケーションが拡がっていくような要素をたくさん詰め込むことができたと思います。

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▲2025年12月現在、九州・沖縄の8県が販売中

|山の選定や等高線の描き方にMap Design GALLERYらしいこだわり

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▲バンダナ/熊本県の全体

―バンダナの真ん中に大きく地図があり、よく見ると等高線が描かれていますね。

小川
はい、中央部分には等高線入りの都道府県図を置き、各都道府県にある「標高の高い山」を1〜5位まで掲載しています。

また、山・地形だけでなく空港や主要駅など、人の動きが見えるポイントも入れています。高い場所と低い場所、自然と都市。そのどちらも布の上で感じられるようにしました。人の生活圏と自然の地形が共存している様子や、身近な場所であっても「こんな高低差があったんだ」と新しい気づきを感じていただけると思います。

―等高線の描き方にもこだわりがあると伺いました。

木村
等高線の間隔は都道府県ごとに調整しています。千葉県のように高いところでも400メートル台までしかない都道府県もあれば、3000メートル級の山を抱える県もあります。すべてを同じ間隔で描くと、高い県は真っ白になり、低い県はスカスカになってしまう。だからこそ「その都道府県らしい高低差の感覚」が伝わるよう、都道府県それぞれに最適なスケールを定めました。

―特別仕様の都道府県・山があるとか?

小川
今回2025年12月発売の九州・沖縄の中では、熊本県の「阿蘇山」がそれにあたります。熊本県を代表する名山ですが、実は「標高の高い山」1〜5位に入っていません。地元の方にも全国的にも親しみのある地域を象徴する山は、私たちとしても大切にしたいと思い、特別に追加掲載しています。今後も東京都の高尾山や群馬県の上毛三山など、「特別仕様」として取り入れていく予定です。

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▲中央部分の等高線入り県図。右上に阿蘇山の表記があります。

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▲周辺部のペイズリー模様。

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▲有機的なモチーフをベースに、熊本県の県花「リンドウ」や県魚「クルマエビ」をデザインしています。

|都道府県ごとの自然の多様さが溶け込む、ペイズリー模様

―ペイズリー模様の中に描かれている、花や鳥についても聞かせてください。

木村
例えば、福岡県は県の花「うめ」と県の鳥「うぐいす」、沖縄県は県花「デイゴ」と県蝶「オオゴマダラ」と、都道府県の公式シンボルとして設定されているモチーフを一つひとつ調べて、ペイズリー模様の中に自然に溶け込むようにデザインしました。

都道府県によって、シンボルの設定数がかなり違います。花と鳥だけを定めている都道府県もあれば、魚や獣、蝶など、複数を設定しているところもあります。できるだけバリエーションが出るように意識して選びました。地域ごとの自然の多様さが模様の中にも反映されています。

ぜひペイズリー模様の中をじっと見つめてみてください。いろんなシルエットが溶け込んでいて、ふと「あ、ここに〇〇がいる」と気づく。そんな瞬間に「なるほど」とほほ笑んでもらえたら嬉しいです。

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▲バンダナ/沖縄県のペイズリー模様には蝶やデイゴの花が見てとれます。

|見慣れた土地のもうひとつの顔を引き出す、カラーリング

―第一弾は九州・沖縄エリアの8県です。カラーリングはどのように決めたのでしょうか。

木村
今回のシリーズでは、ネイビー、グリーン、ライトグレー、イエロー、レッド、パープル、オレンジ、ライトブルーという8色を展開しています。各都道府県を並べたときに似た色が重ならないように配慮しつつ、それぞれの県の“風景や文化”を思い出させる色を選んでいます。

たとえば、福岡県はこれまで明太子・いちごなどの赤系カラーが定番でしたが、今回は玄界灘を思わせる濃い青色に。見慣れた土地の“もうひとつの顔”を引き出すような色選びを意識しました。

今後第2弾・第3弾と順次発売される残りの都道府県それぞれにも、この8色を軸に、地域の印象や風景をもとに色を当てはめ、シリーズ全体のトーンを統一させていきます。

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▲バンダナらしいカジュアルさもありつつ、落ち着いた印象のカラーリングです。

|「地図と装飾」試行錯誤の過程

―実際に仕上がった布を見ると、地図というよりも模様のような印象ですね。

木村
そうなんです。等高線が描く地形のリズムといいますか、地図を描くというより、地形や地域を感じてもらうための布をつくる感覚で取り組みました。

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▲デザイン初期に描いた、ペイズリー模様が強いものやご当地モチーフを入れたもの。たくさんの候補のなかから「地形・地理」が際立つものへ、順々にブラッシュアップしていきました。

―地図と装飾、どちらの要素も強く感じます。

木村
まさに“合わせ技”です。等高線の地図らしさもありつつ、ペイズリーの装飾性もある。それを両立させるのが今回の挑戦でした。「見た瞬間に美しい」と思ってもらいながら、よく見ると地形の情報や地域の物語が見えてくる。そんなデザインを意識しています。

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▲等高線の表現を試行錯誤。等高線のスケールが違うだけでこんなに表情が変わります。

|「バンダナデザインのここを見て!」担当者の推しポイント

―最後に、おふたりが制作工程の中で見つけた、面白いスポット・こだわりのデザインなど推しポイントを教えてください。

木村
バンダナ鹿児島県にある薩摩富士(開聞岳)です。等高線がくるくると均一に輪になっていて、とってもキュートなんです。見つけたときには思わず行きたくなって、東京からの旅程を調べちゃいました!全国には〇〇富士と呼ばれる、富士山に似た美しい円すい形の山がたくさんあるので、これから他の都道府県のデザインも楽しみです。

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▲鹿児島県薩摩半島の南端にある開聞岳、標高924mの火山です。
※画像はタップで拡大します。

小川
これから発売開始する現在進行中のデザインからふたつ、推しをご紹介します!ひとつ目はバンダナ埼玉県のペイズリー模様にある「しらこばと」です。親鳥とヒナたちにハートのカタチがあしらわれています。

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▲ペイズリー模様のなかの鳥や花などのモチーフも一からデザイン。3羽のヒナが親鳥を見上げる様子が可愛らしいです。

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▲2026年1月発売予定、バンダナ/埼玉県のデザイン画。ペイズリー模様に当て込むとこんな風に。

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▲同じ梅の花がシンボルでも、福岡県は「うめ」、大分県は「豊後梅」と描き分けが大変だったそう。お隣同士の県でもあるので、違いを丁寧に作画。

小川
ふたつ目はバンダナ岩手県の中央部、等高線入りの県図です。とても綺麗に平地と山間部の境目が表現されていて、その平地部分に駅や空港のアイコンが置かれています。山々の合間を縫って人々の暮らしがあるのかなと、そこでの暮らしに想像が膨らみ、地図を読み解く楽しさが拡がります。

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▲2026年1月発売予定、バンダナ岩手県のデザイン画。精密な等高線が美しい。

小川
2025年12月発売の九州・沖縄を除く、残り都道府県のバンダナは2026年1月・2月に順次発売予定です。ぜひ楽しみに待っていてください!

※標高に関する出典:国土地理院ウェブサイト

商品のラインナップや詳しい情報についてはこちら

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