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47都道府県の形を地域に分けて名産品・名所などをイメージした色で表現した「47paletteカラーピンズ(以下、カラーピンズ)」。
このカラーピンズの新色に小さな吹出し型ピンバッジをセットにした「カラーピンズプラス」が新発売となりました。

今回は同シリーズのカラーモチーフを決めるまでの過程や、新たにセットされた吹出し型ピンバッジへのこだわりなどについて、
商品企画担当の川上と、デザイン担当の長縄に聞きました。

47都道府県の形を地域に分けて名産品・名所などをイメージした色で表現した「47paletteカラーピンズ(以下、カラーピンズ)」。
このカラーピンズの新色に小さな吹出し型ピンバッジをセットにした「カラーピンズプラス」が新発売となりました。

今回は同シリーズのカラーモチーフを決めるまでの過程や、新たにセットされた吹出し型ピンバッジへのこだわりなどについて、商品企画担当の川上と、デザイン担当の長縄に聞きました。

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|47都道府県ピンバッジとタオルハンカチのかけ合わせで生まれたカラーピンズ

―人気商品のカラーピンズの第2弾がいよいよ発売されましたが、そもそもこのシリーズが生まれた経緯をお聞かせください

川上
「カラーピンズを販売する以前に、日本列島を9つの地方に分けた「日本列島ピンバッジ」や各都道府県の形をした「47都道府県ピンバッジ」などを販売し、Map Design GALLERYの中でも一番人気の商品となりました。
とくに47都道府県ピンバッジには市区町村の境界が刻印されており、ゼンリンならではの商品ということでかなり好評をいただいています。

一方、2023年2月には都道府県デザインの「47palette(ヨンナナ パレット)タオルハンカチ」も商品化しました。
このタオルハンカチは、都道府県の形を地域に分けて名産品や名所をイメージした色を使って刺繍で表現した商品で、こちらも大人気となりました。そこで、ピンバッジとタオルハンカチをかけ合わせることで、新しいピンバッジができるのではないかという発想で生まれたのが「カラーピンズ(第1弾)」です。」

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▲商品企画担当 川上

―ピンバッジにもタオルハンカチと同様に、都道府県ごとにカラフルな色合いを採用したのですね

川上
「はい、「47paletteタオルハンカチ」と同じモチーフでカラーピンズを作ることにしました。
47都道府県ピンバッジは男性に人気だったのですが、女性にも使っていただきたいと思い、サイズを少し小さめにしたり、フチの色もゴールドとシルバーどちらにするか検討を重ねて、ゴールドを採用したりと、工夫を重ねました。」

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▲デザイン担当 長縄

―第1弾の発売後、お客さまからの反応はいかがでしたか?

長縄
「第1弾に対しては、さまざまな意見を数多くいただきました。
「うちの県って確かにこういうイメージだよね」と共感の声もあれば、「なんでうちの県のモチーフがこれなの?」と疑問の声もありました。
SNS上でもカラーピンズについてお客さま同士の議論が見られましたが、この商品をきっかけに賛否両論いろいろな意見が交わされているのがとても嬉しかったです。」

|第2弾ではデータにこだわらず自由な発想でモチーフを選定

―第2弾となるカラーピンズプラスには、そのようなお客さまからの声が生かされた点はありますか?

長縄
「はい。人によって意見は様々だということははっきりしたので、カラーピンズプラスではデータにこだわりすぎることなく、「この都道府県のイメージは何だろう?」と視野を広げて考えることにしました。
そこで、部署のメンバー全員に、それぞれの都道府県のイメージを挙げてもらって、そこからモチーフになるものをピックアップしました。つまり「ゼンリン社員の独断と偏見によるモチーフ選定」です(笑)。

たとえば宮城県は「伊達政宗」にしたのですが、歴史上の人物というのは第1弾のモチーフ選定では出なかった発想で、このような新しい発想にも踏み込んでみました。」

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▲モチーフ検討リスト(左から3列目が第1弾、同4列目以降が第2弾)

―第1弾と比べると大きく印象が変わっている都道府県がほとんどです。

長縄
「そうですね。第1弾のときに茶色などの落ち着いた色だったものは、第2弾ではもう少し可愛らしい色にするなど、できるだけ違う色にしようと意識しました。

また、都道府県が違っても第1弾と同じモチーフは選ばないようにするとともに、第1弾では使われなかった色を多くの都道府県で採用しています。
同系色でも色の指定の仕方は都道府県ごとに異なり、例えば宮城県のモチーフ「伊達政宗」と岡山県のモチーフ「岡山デニム」はどちらも紺色が使われていますが、よく見比べると違う「紺色」なんですよ。」

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▲宮城県(伊達政宗)と岡山県(岡山デニム)

―デザインに思い入れのある都道府県はありますか?

長縄
「私は千葉県出身なのですが、実は第2弾のラインナップの中で最初に作ったデザインが千葉県でした。
第1弾では千葉のモチーフは「ピーナッツ」で茶色系の色合いだったのですが、第2弾では「菜の花」にして、第1弾とは違う可愛らしい黄色と緑の組み合わせにしました。」

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▲第2弾の中で最初に作った千葉県(デザイナーの出身県)

長縄
「逆に、最後までモチーフの選定に悩んだのが東京都です。
第1弾は「ビル(都庁)」がモチーフで、第2弾は「歌舞伎町」にしようかという案もあったのですが、最終的には「桜(ソメイヨシノ)」に決まりました。
桜ってどの都道府県にもあるので、どれかひとつに絞るのは難しいのですが、日本を代表する花なので、どこかの都道府県で採り入れたいと考えていました。
東京では毎年、靖国神社で開花宣言があるし、日本の首都ということで、あえて桜にしてみました。色合いもバランス良く仕上がったと思います。

ほかには、「信楽焼」をモチーフにした滋賀県はなんとなく“狸”をイメージさせるデザインになったりと、どの都道府県にも様々な思い入れがあります。」

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▲東京都(桜)と滋賀県(信楽焼)

|全ての市町村をバラして円形の中に並べ直した(!?)デザインの「吹出し型」ピンバッジ

―今回は2種セットということで、吹出し型ピンバッジがセットされていますが、吹出し型ピンバッジについても教えてください。

長縄
「カラーピンズの第2弾を企画するにあたって、ただの色違いで終わらせず、何か一緒にセットできないか考えました。
何をセットするかは紆余曲折あり、モノクロのピンバッジ、ラインストーン付きのピンバッジ、小さいピンバッジと大きいピンバッジの親子セットなど、様々な案が出ましたね。ただ、やはり最終的には第1弾よりさらにゼンリンとしてのこだわりを詰め込んだものをセットしたいという方向になりました。

 吹出し型ピンバッジの中のデザインについては、カラーピンズをご購入いただくお客さまはご自分にゆかりのある都道府県を買っていただいている傾向が高いことから、その都道府県をもっと深掘りしてみよう、という意見にまとまり、最終的にそれぞれの都道府県に含まれる市町村すべてをバラバラにして入れ込むデザインにしました。」

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▲47都道府県分の「吹出し型」

―さらっと「市町村をすべてばらして入れた」とおっしゃいましたが、こんな小さな円の中にすべての市町村の形が入っているとは驚きです。
地図会社であるゼンリンならではのデザインだし、ふつうのデザイナーには思いつかない発想だと思います。

長縄
「前出の47都道府県ピンバッジで市区町村の細かい境界を入れたのが好評だったというのも理由のひとつで、それぞれの都道府県が多くの市町村が集まって構成されていることをカラーピンズの世界観にマッチするようにどう表現するかということを考えて、このようなデザインにしました。
ふだんからずっと地図ばかり見ているからこういう発想になるんでしょうね(笑)。」

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▲吹出し型「長野県」の例

―吹出し型にしたことには、どのような意図があったのでしょうか?

長縄
「最初はただの円形だったのですが、パッケージに付けたときにまるで都道府県が喋っているような感じを出したくて吹出し型に変えました。

変更後のデザインを色々な人に見せたところ、「吹出しの突起の部分は方位を指しているの?」と聞かれ、「そういう発想もあるのか」と気付かされました。
最終的にはこの突起を北向きとして市町村の向きをすべて統一し、ピンバッジの背面には北の方位を示す「N」も入れることにしました。」

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▲最初のデザイン案(左)から吹出し型(右)へと変更(裏側に北の方位を示す「N」を表記)

「都道府県ごとに地図の縮尺は異なりますが、吹出し型ピンバッジの絵に描かれた市町村はすべて同一縮尺で、かつ、すべて北の方角を上に統一しています。
この状態で小さな円の中に納めていく作業はまさに狂気の沙汰で、もう二度とやりたくないですね(笑)。

あと、作る側ももちろん大変でしたが、もれなく全市町村が入っているので、校正する人にも、かなり頑張ってもらいました。」

―吹出し型ピンバッジの色については、必ずしも都道府県型と共通というわけではないのですね。

長縄
「製作工程の都合上、都道府県型は最大4色で構成しているのに対し、吹出し型は色数に制限がありませんでした。そのため都道府県型の配色にこだわることなく、モチーフのイメージを表現することを優先しました。
たとえば奈良県のモチーフは「金魚」なのですが、金魚鉢を泳ぐ複数の金魚を表現するために、カラーピンズには使われていない水色や黒を一部に入れています。」

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▲奈良県は「金魚」がモチーフ

―パッケージの台紙も、今回は2つ折りの凝ったデザインになりましたね。

川上
「47都道府県ピンバッジのときは、台紙に市区町村の境界を描くなど地図らしさを全面に出したデザインでしたが、カラーピンズの第1弾では女性にも買っていただけるようにパステルで可愛らしいデザインにしました。
第2弾ではそれをさらにバージョンアップさせて、都道府県名とモチーフを英語表記にして、より親しみやすくしました。このデザインを見せたときに女性社員から「可愛いね」と言ってもらえたので、この方向でいこうと決めました。
その上で、吹出し型ピンバッジで市町村の形を入れたので、2つ折りにして裏面に都道府県の地図と境界、市町村名を入れるようにしました。」

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▲2つ折りの台紙を採用

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▲台紙の裏には市町村名と境界を記載

|ピンバッジを身のまわりのものに付けることでコミュニケーションのきっかけに

―カラーピンズプラスを、どのようなところに付けてほしいですか?

川上
「私の場合、通勤で使っている九州のスクエアトートバッグに自分の出身地である福岡と、現在住んでいる東京のカラーピンズを付けています。
これを見た取引先から「福岡出身ですか?」と聞かれたりすることもあります。

社内には、社員証のストラップに取り付けたり、ジャケットに付けたり、布製のペンケースに付けたりしている人もいるので、身のまわりのものに付けるのがおすすめです。
ひとつだけでなく複数のピンバッジを付けるのも楽しいし、自分と縁がなくても、形として魅力のある都道府県のバッジを買うのも楽しいですね。」

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▲バッグや帽子、布製のアイテムに付けて楽しんでみて

―最後に、お客さまに向けてメッセージをお願いします。

長縄
 「最初にピンバッジの商品が企画されたときのコンセプトとして、「それを身に付けることで自然と会話が生まれるようなアイテム」という考えが基本にあったので、やはり服や持ち物などに身に付けて、コミュニケーションのきっかけにしていただければ作った側としては嬉しいですね。もちろん形を気に入って購入し、全都道府県をコレクションして飾っていただいても嬉しいです。」

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川上
 「日本列島ピンバッジや47都道府県ピンバッジに加えて、カラーピンズ第1弾と今回発売するカラーピンズプラスで、ラインナップが充実してきましたので、組み合わせは無限大です。
第1弾と第2弾並べて付けてるなど、自由な発想で楽しんでください!」

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編集後記

実は聞き手の私もモチーフ選定に参加させていただきました。
 私の地元群馬県のモチーフになった「嬬恋キャベツ」は、いくつか案を出した中から採用してもらったものです。
“夏の青空の下、浅間山の麓に広がる一面の高原キャベツ畑”をイメージしたデザインになっています。

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一方で、例えば高知県「うつぼ」は、私は全く知らなかったのですが、高知県を旅行したことがあるメンバーから
「現地ではうつぼ料理が有名で…」という話を聞き、調べてみると確かに“土佐の名物”うつぼ料理の情報がたくさん出てきました。

「カラーピンズプラス」の誕生をきっかけに、そうした各都道府県の新たな発見や、「やっぱ○○県は●●だよね」といった共感を、メンバー同士で体感することができました
(私としては実は半数以上は「新たな発見」でした)。

* * * * *

みなさんにゆかりのある都道府県のモチーフは何でしたか?
「やっぱり」「え?知らなかった」「ちょっと違うな―」などいろんなご感想を持たれると思います。
ぜひSNS等を通じて私たちにも教えてくださいね。
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